会長あいさつ

東日本大震災から10年にあたって

 平成23年3月11日に未曽有の災害をもたらした東日本大震災から10年になります。
 福島県司法書士会は、東日本大震災の後まもなく、有志会員による避難所での相談会開催を契機として、県内各地のべ119か所の避難所において相談会を開催いたしました。また、東京電力福島第一原子力発電所で発生した原子力事故(原発事故)によって損害を受けた被害者の皆さんに向けて、東京電力への損害賠償請求に関する説明会・相談会をのべ24回開催し、いわゆる自主避難をされた方には、主に裁判外の紛争解決手続き(原発ADR)を利用した、東京電力への損害賠償請求に関する情報提供や代理支援、提出書類の作成支援を行ってまいりました。そして、福島県が設置した全国各地の生活再建支援拠点を通じて、県外に避難を継続している福島県民の皆さんの相談に対応しながら、要請のあった県内の市町村には継続的に相談員を派遣してまいりました。これらの相談対応には、全国各地の司法書士から温かい協力をいただいたことに感謝申し上げます。

 そして、福島県民は今も原発事故による様々な被害を受け続けています。立ち入ることはできても宿泊することのできない帰還困難区域がいまだに存在し、先月の時点で28,000人を超える避難者が福島県外で生活しています。

 このように、福島県民が東日本大震災によって受けた被害は、地震や津波によるものだけではありませんでした。放射能汚染という見えないものにおびえる生活を送り、根拠のない情報に翻弄され、県内外で心無い言葉を浴びせられるなど、様々な身体的・精神的被害も経験してきました。これは、新型コロナウイルスによる現状にも通じると強く感じています。これら二つの大きな災禍を経験した福島県民だからこそ、他人を思いやり、支えあいながら、今後も歩んでいけると信じています。

 東日本大震災から10年を経ますが、これは区切りであってもゴールではありません。福島県司法書士会は、これからも司法書士の専門職能を通して福島県民の皆さんに寄り添い、さらなる支援を続けてまいります。

福島県司法書士会
会長 角田 正志