会長あいさつ

東日本大震災から
7年を迎えるにあたって

 東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故の発生から7年が経過いたします。この7年という歳月は、原発事故による福島県固有の被害からの復興を成し遂げるには決して十分な年月とは言えませんでした。未だに残る風評被害と生活再建に欠かすことのできない東電賠償問題、原発避難いじめなどの人権問題はこれからも取り組んでいかなければならない大きな課題です。

 ところで公共施設や社会のインフラの復興は一定の進捗を見せていますが、この7年の歳月は一番大事な被災者の心に安寧をもたらすことができたのでしょうか。

 福島大学うつくしまふくしま未来支援センターが公表した双葉郡7町村の住民実態調査では、“自分の仕事や生活への希望は”の問いに対し「あまり希望がない、まったく希望がない」と答えた割合が50.4%と半数を超え、WHO5の指標で“うつ症状に近い”とされる結果を示した住民の割合は川内村や葛尾村で40~51%、その他の町村で60%前後に達しています。このように、将来に対する希望や働く意欲が奪われたままの現実と経済的状況に不安を感じている住民が7割から8割に達し、東電の賠償姿勢にも不満を抱えている多数の被災者の存在も明らかになりました。故郷を追われ打ちひしがれた被災者の心に希望の火を灯すにはまだまだ長い時間を要します。

 私たち司法書士は震災事故発生直後から相談活動などを通し被災されたみなさんの一刻も早い生活の再建を願い支援活動に努めてまいりました。これからも気軽に相談できる法律実務家として被災者のみなさんの声に耳を傾け、司法書士の知見と行政や専門機関との連携を活かして、生活再建、事業の再建や人権擁護、ふるさとへの帰還の支援に気持ちを新たにして取り組んでまいります。

福島県司法書士会
会長 小針 藤助