会長あいさつ

東日本大震災から
8年を迎えて

 東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から、8年が経過しようとしております。8年の歳月は避難指示の解除が進み生活インフラの復興を成し遂げつつあります。しかし、4万人を超える被災者が、いまだに平穏な生活を奪われ避難生活を余儀なくされている現実があります。司法書士と司法書士会は、相談活動や支援機関との連携を通じて、被災者支援に努めてまいりました。これからも専門的知見と、関係諸機関との連携を活かして、被災者の生活再建と福島の復興に尽力してまいります。

原発賠償の消滅時効は10年
 原子力損害賠償の消滅時効についてご注意ください。
 法律は、「損害及び加害者を知った時から10年間行使しないときは、時効によって消滅する。損害が生じた時から20年を経過したときも、同様とする。」と規定をしています。東京電力は、消滅時効に関して柔軟な対応を行うとの曖昧な考えを表明していますが、明確な方針は示されていません。
 条文通り解釈すれば、最短で2021年3月をもって損害の賠償請求権が消滅する可能性があります。時間の経過は記憶も薄れ資料も喪失していきます。東京電力への請求を保留にしている方や心当たりのある方は早めにご相談ください。

自主的避難区域(避難指示地域以外)の賠償請求
 自主的避難区域においても、東京電力へ賠償請求できるケースが多くあります。例えば実際に避難している方、自宅等を除染するために高圧洗浄機を購入した方など、原発事故によって出費を要した方々は多いと存じます。心当たりのある方は、司法書士など専門家への相談をおすすめします。

原発賠償の相談窓口
 原発事故賠償に関する紛争解決では訴訟の前の解決機関として、文部科学省において原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)を設置して賠償請求の仲介をしております。センターの示す和解案を拒否することの多い東京電力の対応に批判もありますが成立している事例も数多くあります。当会では原子力損害賠償対策室を中心に相談や申立て支援にあたります。

福島県司法書士会
会長 小針 藤助