- 友人に頼まれてお金を貸したが、返してくれない
5年ほど前に大学の友人にお金を貸したのですが、いまだに返してもらっていないんです。当時は「ちゃんと返すよ」と言っていたから信用して貸したのに。
それは大変ですね。どのくらいご友人にお金を貸したのですか。
100万円です。最近は電話にも出ないし、裁判をやるしかないと思っているのですが、先生にお願いできますか?
はい、140万円以下の民事に関する紛争ならば認定司法書士(※1)があなたの代理人となって簡易裁判所への民事訴訟の提起、期日における出頭・弁論、和解などの訴訟行為と裁判に関する一切の書類の作成をすることができます。
仮に140万円を超える紛争でも、裁判に関する書類作成をとおしてあなたに寄り添い支援することが可能です。本当ですか。裁判に勝ったら必ずお金が戻って来るんですよね。
いえ、裁判に勝ったとしても、相手に財産がなければ貸したお金を回収するのは難しいかもしれません。相手の事情も考慮して裁判を検討しましょう。
はい、宜しくお願いします。
- 以前勤めていた会社が給与を支払ってくれない
以前勤めていた会社が5か月分の給与を支払ってくれません。きちんと支払ってもらえるように手続きを取りたいのですが。
分かりました。雇用契約書や給与明細、源泉徴収票など契約内容や給与の額が分かる書類はお持ちですか。
今日は家に忘れてしまいました。
それでは書類は次回お持ちいただくとして、労働条件は憶えていますか。
はい、時給800円で週5日、勤務時間は朝の9時から1時間の休憩をはさんで午後の6時まででした。
それでしたら、未払いの給与がどれくらいなのか計算できますね。…70万円近い金額になるので大金ですね。
そうなんです。会社を辞めてから数か月経っているのですが大丈夫でしょうか?
労働基準法第115条により「給与の請求期限は2年」と定められていますので、辞めてから数か月経過していても問題はありません。次回、先ほどお願いした書類をお持ちいただいて、詳しく検討しましょう。
- アパート住人が家賃を滞納している
私はアパートの経営をしているんですが、アパートの住人が賃料を支払ってくれないのです。
どれくらい賃料の支払いがないのですか。
半年分で36万円です。本人から話を聞くと、一年前に急に会社を辞めたようで、それ以来仕事をしていないようです。
賃貸借契約には連帯保証人がいらっしゃいますよね。そちらからは支払いをしてもらえないのでしょうか。
連帯保証人に連絡しても「自分の生活でいっぱいでどうにもできない」と言うんです。
その住人は他に何か資産をお持ちなのでしょうか。
まだ20代ですし、資産があるなら支払いもするでしょうから、おそらくないと思います。
では未払いの家賃を回収しつつ、住人の方にはアパートから出ていってもらいましょう。
どのような手続きを取ればよいのでしょうか?難しそうですね。
まずは住人と交渉することになります。未払い賃料が金140万円以下なので、認定司法書士(※1)は代理人として交渉することができます。もっとも家賃の回収が難しい場合には、家賃を免除する代わりに賃貸借契約を解除してすぐにアパートを明け渡してもらうことも検討すべきです。
それでも応じない場合にはどうしたらよいのでしょうか。
訴訟を提起して判決をとり、その後、強制執行により住人には強制的にアパートから出て行ってもらいます。代理で訴訟できるかどうかを確認したいので、アパートの固定資産評価額が分かる書類をお持ちください。
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裁判まとめ
認定司法書士(※1)であれば「訴訟物の価額が140万円以下の民事事件」について相談を受け、依頼者の代理人として貸金返還請求、建物明渡請求、賃料請求、請負代金請求等についての「訴訟行為」や、相手方との直接「交渉」を行うことができます。
代理権の範囲を超える民事事件、または遺産分割調停や離婚調停など民事事件以外の裁判手続については、「関係書類の作成」を通して依頼者を支援いたします。
裁判手続に関しては、お近くの司法書士へご相談ください。
※1簡易裁判所で取り扱うことができる民事事件(訴訟物の価額が140万円以内の請求事件)に対する、訴訟行為や裁判外の和解手続等について、代理する業務を行うのに必要な能力を有すると法務大臣が認定した司法書士